ポッコリお腹の原因と解消法
標準的な体型なのにお腹だけがポッコリ出ている、制服のウエストだけがきつい、などポッコリお腹に悩んでいる方が多いのではないでしょうか?お腹は脂肪が付きやすい部分ですが、他にもさまざまな原因があります。今回はポッコリお腹のタイプと解消法についてお話します。
<目次>
- ポッコリお腹のタイプ
- ポッコリお腹を改善する生活習慣
- ポッコリお腹改善エクササイズ
- ダイエットの大敵!ポッコリお腹の原因は脂肪だけではない!
ポッコリお腹のタイプ
体幹筋力の低下
お腹は体の中で唯一骨に覆われていない部分です。腹腔内には、さまざまな内臓がパズルのようにぎっしりと詰め込まれており、お腹は筋肉でそれらの内臓を支えています。
腹筋はもちろんのこと、インナーマッスル、アウターマッスルといった体幹の筋肉全体が衰えることで内臓を支えきれなくなり、その結果ポッコリとお腹が出てしまします。
お腹周りの脂肪
お腹周りは体の中でも、とりわけ脂肪が付きやすい場所です。お腹の脂肪がたまる場所によって、以下の2つに大別されます。
内臓脂肪
内臓脂肪とは、腸と腸の間の腸間膜にたまる脂肪のことです。女性よりも男性にたまりやすく、お腹が硬くビール腹のように張り出しており、お腹の肉をつまむことが難しいのが特徴です。手足が細く体幹がリンゴのように丸い体型の方は、内臓脂肪がたまっている可能性が高いでしょう。
適度な内臓脂肪は、臓器を安定させるクッションの役目がありますが、増えすぎると高血圧、糖尿病、脂質代謝障害など、生活習慣病の原因となり、さまざまは健康リスクを伴うことになるので、注意が必要です。
また、運動によって落としやすいのも、内臓脂肪の特徴です。
皮下脂肪
皮下脂肪とは、筋肉と皮下の間にたまる脂肪のことです。男性よりも女性にたまりやすく、お腹だけでなく背中やお尻や下半身といった、体のさまざまな場所にたまり、容易につまむことができます。上半身は細く下半身が太い花瓶型といった体型の方は、皮下脂肪がたまっている可能性が高いでしょう。
皮下脂肪は、健康に悪影響をおよぼす危険性は少ないですが、運動しても落ちにくいという特徴があります。
適度な皮下脂肪は外部の衝撃から内臓を守ったり、体温を保つ断熱材の効果がありますが、血行が悪くなりむくみや老廃物がたまるセルライトの原因となります。
骨盤のゆがみ
悪い姿勢によって骨盤がゆがむと、下腹がポッコリとでる原因になります。猫背や前かがみの姿勢では骨盤が後傾し下腹が出るだけでなく、ピーマン尻の原因になります。
また、かかとの高いヒールを履くと骨盤が前傾し、腹筋が使えなくなることでポッコリお腹になり、腰痛や股関節痛の原因になります。
脚を組む
イスに座るとお尻の中にある坐骨(お尻の骨)が、左右の骨盤の高さを均等に保ちますが、脚を組むと組んでいる方のお尻が上がり骨盤が傾き、ゆがみの原因になります。
また、つい脚を組みたくなる方は、骨盤がゆがんでいる可能性が高いでしょう。
片脚に重心をかけて立つ
軸足側の骨盤の位置が高くなり、反対側が低くなります。軸足側に体重をかけることで骨盤が上がることで生じるからだのゆがみを調整するために、軸足側の背部や腰部の筋肉が緊張し、腰痛や肩こりの原因になります。
また、軸足側の股関節や膝関節に負担がかかり、痛みの原因となります。
背中を丸めて座る
背中を丸めた姿勢、猫背は骨盤が後傾してゆがみの原因となります。また、背中を丸めた姿勢で座ると、仙骨部で体重を支えるため腰も丸まり、ポッコリの原因となります。
便秘や下がり腸
便秘
腸の動きが悪くなり、便などの老廃物がたまると、お腹が硬く張ってきて、ポッコリお腹の原因になります。また、便秘をすると腸内フローラの乱れによって有害な腸内ガスも発生します。
腸の動きが弱くなると腸内ガスを体内に吸収する効率も下がるため、お腹が風船のように張ってポッコリお腹の原因となります。
下がり腸
また、腹圧の低下や腸のぜん動運動が弱くなることで腸が弛緩すると、体に固定されていない横行結腸やS状結腸が下がります。すると、ますます便やガスがたまる原因となり、下腹がポッコリ出てきます。
ポッコリお腹を改善する生活習慣
筋肉をつける
お腹の中には腹腔とよばれる空洞があり、その中に複数の内臓が収納されています。お腹には骨など内臓をガードする強力なプロテクターがありません。いわば、無防備な状態です。自前の筋肉ガードルで、しっかり内臓を支え守る必要があります。
また、股関節周りの筋肉を鍛え、股関節を安定されることで、姿勢を保持し下半身が引き締まるなどの効果が期待できます。ポッコリお腹を凹ませるためには以下の筋肉の強化が重要です。
お腹周りの筋肉
腹直筋、外腹斜筋・内腹斜筋、腹横筋など
股関節周りの筋肉
腸腰筋群:大腰筋、小腰筋、腸骨筋
外転筋群:中臀筋、小臀筋、大腿筋膜張筋、大臀筋中殿筋など
内転筋群:大内転筋、長内転筋、短内転筋、恥骨筋、薄筋など
有酸素運動をする
お腹に付く脂肪の中でも、内臓脂肪は取れやすい脂肪だといわれています。脂肪を燃やすためには酸素が必要なので、有酸素運動をすることで、内臓脂肪を燃焼する効果が高まります。
夕方の時間帯に、20分以上のスロージョギングなどを行うことが効果的です。ジョギングが苦手は方が速足歩きを取り入れましょう。話をしながらだと息が上がる程度の速さで、30分以上ウォーキングすることがおすすめです。
正しい姿勢を身につける
正しい姿勢の保持には腹圧(腹腔内圧)を保つことが重要です。腹圧の上昇には,体幹の上方にある:横隔膜、下方にある骨盤底筋、横にある腹横筋、後方:多裂筋群などが関連しています。
それらの筋肉を鍛えたり、筋膜などの結合組織の柔軟性を保つことは、姿勢の保持や内臓下垂の防止につながります。また、腹圧を上げ正しい姿勢を保つことは、全身の血流を改善し代謝を上げることにもつながります。
ポッコリお腹を改善するためには、たくさんのトレーニングがありますが、効果を出しやすくするためには正しい姿勢で行うことが、ポイントです。まずは、以下の姿勢チェックをし、自分の体の歪みを知りましょう。
姿勢をチェックをする
1.壁に背をして足を肩幅に開き、かかとが壁に付くように真っすぐ立つ。
2.お尻、左右の肩甲骨、後頭部を壁に付ける。
※お尻を壁につけると肩甲骨が付かない人:前かがみ姿勢の可能性あり
※お尻を壁につけると後頭部が付かない人:猫背の可能性あり
※腰と壁の間に手の平1枚以上隙間が空く人:反り腰の可能性あり
※手の平1枚分の隙間が空かない人:ストレートバック(背骨の湾曲が少ない)の可能性あり
ポッコリお腹を改善するエクササイズ
以下に紹介するエクササイズは、腹圧を保ち姿勢を保持したり、結合組織の柔軟性を保つ効果があります。毎日、1日2~3回実行しましょう。
下腹しぼり呼吸
イスに座り背筋を伸ばす、または、仰向けに寝て膝を立てた姿勢で行う。
1.お腹を意識して息を吸い、細い糸を口から出すように口を小さくすぼめながら、できる限り息を吐き続ける。少しずつお腹をへこませながら息を吐き切る。
※30秒くらい吐き続けられるとベスト
2.その後、お腹を膨らませながら息を吸う。
※1と2を3分間繰り返す
腰上げ腸腰筋ストレッチ
1.仰向けに寝て膝を立て、足を肩幅に開く。
2.そのまま腰を持ち上げ体幹をまっすぐに保ちながら、お尻を右に5センチほどライドさせ、5秒間キープする。
3.体幹を真っすぐに戻し、次はお尻を左に5センチほどスライドさせ5秒間キープ。
4.ゆっくりと1の姿勢に戻る。
※息は止めないように行う
※1~4で1セット、3セット行う
うつぶせ腰ゆらし
1.仰向けに寝て手の甲を重ね、その上に額を置いたら足を肩幅に開く。
2.うつ伏せのまま、腰を左右にゆらゆらと気持ちよく3分間ゆらす。
※1日2~3回行う
ダイエットの大敵!ポッコリお腹の原因は、脂肪だけではない!
食習慣の乱れや運動不足、過度なストレスが続くと、胃腸の働きが鈍り便秘や下痢の原因となります。胃腸が不調に陥ると、お腹にガスや便が溜まりポッコリお腹の原因となります。
また、下痢の場合も腸内細菌が出すぎることで腸内環境が悪くなるため、ガス腹になりポッコリお腹になります。
このように、ポッコリお腹の原因は脂肪だけではありません。お腹ヤセをするには、腸内環境を改善して、腸の中をキレイにしておくことが重要なのです。